「歩き方カルチャー教室」はじまります!

東アフリカで出会った生き物達3

サバンナで草を喰む少食動物たち。キリンは水を飲んでいる。

アンボセリの哺乳動物達1

アンボセリ国立公園では多くの動物達を見ることができます。前に紹介したアフリカゾウ、カバ、キリン以外の草食動物を中心に今回は紹介します。

たくさんの大型草食動物が見られるアンボセリ国立公園ですが、サイ(シロサイもクロサイも)は見られません。かつては野生のサイが住んで おり、私も見たことはあるのですが、サイの角が中国では漢方薬の原料になるということで密漁されためにここのサイは絶滅したそうです。 

トムソンガゼル

トムソンガゼルの親子

体長1mほどの小型のレイヨウで、横腹に太い黒帯が有る。レイヨウ類のガゼルと呼ばれるグループの♂の角は体の割に太く大きく、♀も小さい角を持つ。ほとんどサバンナでしか見かけない。瞬間の逃げ足は素早いが、あまり長距離のダッシュはできないようで、チーターの主要捕食対象となっている。

グラントガゼル

グラントガゼルの番

トムソンガゼルよりかなり大きく、体長150cmにもなる中型のレイヨウ。横腹には帯が殆どない。♂の角は80cmほどになるものもいて立派。メスもやや小型の角を持つ。主にサバンナに生息する。

インパラ

インパラの♂優雅な角を持つ
ロッジの庭に来るインパラ♀の群

ゲラントガゼルとほぼ同じ大きさのレイヨウだが体色は薄焦茶色。♂のみ優雅にカーブした角をもつ。ハーレムを形成し、大きな群れをなしていることが多い。林間にも好んで生息するようだが、サバンナでも見かける。危険が近づくと一斉に尾を左右に振る。跳躍力は素晴らしく10mほどにもなる。よくヒョウに捕食されている。

ヌー(ウシカモシカ)

授乳中のヌーの親子
ヌーはこのような大群を作って移動する(マサイ・マラ自然保護区で撮影)

東アフリカで最大の群を作ることもある哺乳類(アンボセリではせいぜい数百頭である)。ケニアとタンザニアにまたがる大草原で2,30万頭の大群を見かけたことがあった。体長2m以上、体高150cm近く、体重250kgにもなる大型の牛の仲間。アフリカの民話では、「神様が動物を造ったとき、牛の角、ヤギの髭、ロバのしっぽなど、他の動物を作った時の余り物を集めて作った」というように牛とカモシカを合わせたような姿をしている。大型の肉食動物の格好の獲物とされている生き物で、この動物が生存しているおかげでライオンが繁栄しているんじゃないかと思える。サバンナのあちこちで白骨化した屍を晒しているが、その骨すらいつの間にか姿を消すのは昆虫や菌類のおかげだろう。

トピ

周囲を警戒するトピの親子。

体長180cmほどの大型のレイヨウ類。顔や四足の先端が黒く体色は赤茶。体高140cmほどとレイヨウ類では背が高く、おまけにアリ塚などの上に上がって周囲を警戒している姿をよく見る。曲がった角を持ち、草食動物で1,2を争うスピードの持ち主。たまに林間でも見かけるが、たいていサバンナで草をはんでいる。ハーレムを作るが、あまり大群にはならず2、30頭以上の群れを見かけることはまれ。

ハーテビースト

ハーテビーストの角。曲がりくねっていて、防御には役立ちそうもない。

体長170cmほどの大型のレイヨウ類。体型などはトピに似るが、体色は異なり、薄茶色。単独で大群をなすことはほとんど無く、他の草食動物と混在していることが多い。

ウオーターバック

立派な角を持つウオーターバック♂。このくらい丈夫そうだとあまり襲われないだろう。

体長170cmと大型のレイヨウ類。他のレイヨウよりやや長い焦げ茶色の体毛をもつ。水場に多く生息するが、サバンナの林の縁などにもよくいる。♂のみ半月状の太い立派な角を持つ。10数頭規模のハーレムを作る。

バッファロー(アフリカスイギュウ)

沼沢地が大好きなバッファロー。角は兜のように頭を覆っている

牛の中では最大級の仲間。太く頑丈そうなかつらのような角を持つ。サバンナのサファリで最も危険な動物。大群で生活する。ときにはライオンを返り討ちにすると言う。

シマウマ

シマウマの群れ。よく見ると縞は個体差がある事がわかる。
授乳中の親子。

サバンナシマウマと呼ぶ人もいるが、区別はしにくい。ヌーやレイヨウ類とともに群れをなして採食することも多い。肉食獣に対しては尻を外側に出して円陣を組んで立ち向かうそうだが、見たことはない。

イボイノシシ

ゆったり採食するイボイノシシの番(前足を跪いて採食中は♀)牙のあるのが♂。

顔に1対の大きなイボのあるイノシシで、日本のイノシシよりやや小型。単独かメスと子供連れでサバンナで昆虫等や草の根などを採食している。繁殖期には番で行動するが群れを作らない。飲水や採食の際は前足を折り曲げて跪くようにしている。美味しいらしく(豚の親戚だから?)、中型以上の肉食獣や大蛇に補食されることがよくある。警戒心が強く、逃げ出す時は尾を立てて走るがスピードは50km/h程なので幼獣はよく食べられているようだ。成獣は下顎から出る牙が反り返り鋭く尖っていてときには肉食獣に突進して反撃することもあると言う。

アフリカノウサギ(ケープノウサギ)

ひっそりと隠れたつもりのアフリカノウサギ

東アフリカの民話では、ずる賢い動物とされているのは、日中は巣穴にいることが多いためだろうか。このように白天下姿を晒すことはまれ。長い耳の内側以外に薄茶色の体毛に覆われていて、素早く動く。体長30〜50cmほど。正式な名前は不明でここにつけたのは総称。危険を察すると、時々化石のように動かなくなり肉食獣の目を逃れようとする。

シママングース

群れで行動するシママングース

体長40cm(20〜30cmの尾を除く)ほどの小型雑食性動物だがネズミや小型のガゼルなどの幼獣を襲うこともある。巣穴にやってくるイボイノシシの体についた寄生虫を食べてやることもあるようだ。血縁関係のある家族で行動している。よく呼び合う声が聞こえる。古いロッジなどの付近に生息し、ヒトに慣れている群れも見られる。

ジリス

ジリス

体長10cmほど、尾まで入れると30cmほどの小型の草食動物。樹木のあるところばかりでなく、乾燥サバンナにも生息している。ロッジなどに住み着いている個体も多い。

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ABOUT US

川田秀文
有限会社シーピーシー 代表
1970年代より東アフリカに足しげく通い、スワヒリ語の基礎を受講。 1980年代初頭に北京語言学院(現北京語言大学)に「現代中国」理解のため留学。その頃、対外開放都市(外国人が許可なく立ち入りできた町)で写真を撮りまくる。 帰国後、それらの写真をもとにストックフォトライブラリーのCPCphotoと編集プロダクションCPCを起ち上げる。 渡航先は下記の通り。 アメリカ・インド・ウガンダ・ウズベキスタン・エストニア・エチオピア・カザフスタン・カナダ・韓国・キルギス・ケニア・シンガポール・ジンバブエ・タイ・台湾・タンザニア・中国・ドイツ・パキスタン・フィンランド・フランス・ベトナム・ベラルーシ・ベルギー・ボツワナ・香港・マカオ・マレーシア・南アフリカ・モーリシャス・モンゴル・ラトビア・ルワンダ・ロシア 三国志・漢文・観光学が得意。 国立埼玉大学生化学科卒(理系) [職歴] 地球の歩き方の取材編集を35年。 シェアハウス『歩き方ハウス』運営。 元国立山梨大学非常勤講師、国学院大学文学部史学科特別非常勤講師など多数校で講演。