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内山 三郎 自己紹介

内山三郎 プロフィール画像

宮重

初めまして、宮重と申します。今日は、簡単なインタビューをさせていただきます。よろしくお願いいたします。

内山

初めまして、内山です。よろしくお願いします。

宮重

それでは内山さん、簡単に自己紹介をお願いします。

内山

内山 三郎(うちやま さぶろう)です。

現在、岩手県滝沢市のラジオメディカルセンター放射線監視委員会委員と、岩手生物教育研究会の顧問をしております。岩手大学にて名誉教授です。

これまで細胞生物学を専門分野として主に「細胞性粘菌」研究してきました。

教育に関わるものとして、統計学的にみた生まれ月の影響などについての研究もしています。これらの研究では新聞・週刊誌・テレビ等の取材も受けています。

宮重

岩手大学の名誉教授をされているのですね!

細胞性粘菌と言われて、すぐにイメージが湧いてこないのですが、具体的にはどのようなことをする生物なのでしょうか?

内山

細胞性粘菌という生物は、簡単に言いますと、単細胞生物から多細胞生物への進化の過程の途中にあるような生物です。

例えばヒトは多細胞生物で、構成している細胞の数は37兆個からなっていると言われています。それらの細胞はそれぞれ役割分担しつつ、協調して一人のヒトを形づくっています。それに対して単細胞生物は、細胞一個からなる生物ということになります。

細胞性粘菌という生物は、単細胞の時期と多細胞を形成する時期がある生物で、多細胞体を形成したときにはやはり細胞の役割分担が見られます。

ヒトの細胞は、神経細胞・筋肉細胞・血液細胞など、約200種類に細胞分化(役割分担)するのに対し、細胞性粘菌は最終的に2種類の細胞に分化するのみです。
つまり、細胞分化を研究する上で「分化が単純」という基礎研究上有利な特徴を持っている生物なのです。

最近までの私の細胞性粘菌を用いた研究は、この細胞が持っている自家蛍光物質(プテリジン)の細胞分化に伴う細胞内の局在性や機能について明らかにしようとするものでした。

この自家蛍光物質は生物界に広く存在している物質ですが、ヒトでは、この物質の欠損または減少が小児の脳の発達に重大な障害を引き起こすことが分かっています。

(この障害については、現在乳児健診による早期発見で治療が行われており、障害の回避は有効に行われております。)

この自家蛍光物質は、ヒトでもその存在と重要な働きがわかっていますが、生物界に広く存在している物質です。

宮重

なるほど、人間は約200種類に分かれるのに対して、細胞性粘菌は2種類の細胞になってしまうのですね。なんか、不思議な感じです。

そういえば、内山さんが執筆された「生まれ月の影響」についての論文いくつか読ませていただきました!最近、早生まれについてニュースにもなっていましたよね。私も幼児教育を専攻していたのでとても興味深かったです。

学会や旅行で色々な国に行っていたようなのですが、今まで学会や旅行で海外に行かれていたようですが、何か国くらい行ったのですか?

内山

国際学会でオーストラリア、ドイツ、台湾に行きました。学会の後は、観光もしてきました。

その他には、トルコ、ハンガリー、オーストリア、チェコ、スロバキアに観光旅行したことがあります。

宮重

私、ドイツに行ってビールを飲むことが夢なんです。ドイツの観光についてお会いした際にお話を聞かせていただきたいです!

それでは最後に、読者の皆様に何か一言お願いします。

内山

地球上には様々な生物種が存在していて、このことを種の多様性と言っています。一方、細胞という視点から生物を見てみますと、このような多様な生物種も比較的単純に類別することができ、その共通な性質を理解することが出来ます。

マクロな視点(巨視的)からの多様性と、ミクロな視点(微視的)からの共通性について、生物はその両面からアプローチすることによって、より深く理解して頂けると思います。

宮重

私も内山さんの記事を読みながら、学んでいこうと思います。よろしくお願い致します。

内山

よろしくお願いします。